妹と兄52
妹兄52
体が熱かった。疲れた体に精神的なショックで、あたしは眠ってしまい夢を見ていたようだ…。とても怖くて目をそっと開けるとそこには、誰も居ない暗がりの公園が見えホッとしたが、寝息をたて眠る痴漢男を押しやっても、やっぱり動かすことはできず、ズキズキする指の痛みに気づいた。
『ほんとに噛んでたんだ…』
ドクン ドクン ドクン ドクン
心臓が早鐘のように打ち、今のことが夢では無いような気がしてきたあたしは、血が滲んでそうな指を舐めていた。
『はぁ…』
しばらくじっとしていたあたしは、気持ちを落ち着かせようと深呼吸し、やっと男の携帯を取りしていた。
『ミィナ!?』
『片思いの彼女なのかな。ふぅ…』
母と同じ名の着信を見て驚き、リダイアルするとすぐに繋がった。
「ユウキー どこー? 映画始っちゃったけど、まだ前で待ってるよ。自称超美形少女がカンカンに怒ってる遅刻するなーって。あなた、この代償高そう。とんでもない物買わされちゃうかも。アハハ」
『えっ?!』
優しい笑い声にあたしはハッとしていた。母の地声にとてもよく似ていたからだ。
「あぁ、すいません。あたしこの携帯の主の代理なんです。今ですね、この人ユウキさんて言うんですか? すごい頭痛がするとかで、ベンチに倒れてしまって…」
『えっ? あなたどなた? ユウキが倒れた? 倒れたって!!』
女性は、悲痛な声で聞き返していた。
「ぁ、あたしは変な人じゃないです。通りすがりの者です。ここの場所ですか? 場所は… ここがどこか分からないです。あたし今日はじめてこっちへ出てきたんです。ごめんなさい」
チヒロも携帯の会話に聞き入っていた。
▼応援してもらえると、書く気力が沸いてきます。

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体が熱かった。疲れた体に精神的なショックで、あたしは眠ってしまい夢を見ていたようだ…。とても怖くて目をそっと開けるとそこには、誰も居ない暗がりの公園が見えホッとしたが、寝息をたて眠る痴漢男を押しやっても、やっぱり動かすことはできず、ズキズキする指の痛みに気づいた。
『ほんとに噛んでたんだ…』
ドクン ドクン ドクン ドクン
心臓が早鐘のように打ち、今のことが夢では無いような気がしてきたあたしは、血が滲んでそうな指を舐めていた。
『はぁ…』
しばらくじっとしていたあたしは、気持ちを落ち着かせようと深呼吸し、やっと男の携帯を取りしていた。
『ミィナ!?』
『片思いの彼女なのかな。ふぅ…』
母と同じ名の着信を見て驚き、リダイアルするとすぐに繋がった。
「ユウキー どこー? 映画始っちゃったけど、まだ前で待ってるよ。自称超美形少女がカンカンに怒ってる遅刻するなーって。あなた、この代償高そう。とんでもない物買わされちゃうかも。アハハ」
『えっ?!』
優しい笑い声にあたしはハッとしていた。母の地声にとてもよく似ていたからだ。
「あぁ、すいません。あたしこの携帯の主の代理なんです。今ですね、この人ユウキさんて言うんですか? すごい頭痛がするとかで、ベンチに倒れてしまって…」
『えっ? あなたどなた? ユウキが倒れた? 倒れたって!!』
女性は、悲痛な声で聞き返していた。
「ぁ、あたしは変な人じゃないです。通りすがりの者です。ここの場所ですか? 場所は… ここがどこか分からないです。あたし今日はじめてこっちへ出てきたんです。ごめんなさい」
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