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妹兄119

妹兄119



「また来るからね、大好きなおにいちゃんと…」
 チヒロが別れを告げる母は、至る所に包帯が巻かれ、父の死のショックで心も蝕まれ誰が何を言っても無反応だった…、今日も何も話してくれず椅子に腰かけ、ぼんやり外の景色を眺めていたが、その窓は開ける事はできず鉄格子が付けられていた…、 そんな彼女でも唯一やっていることがあった、それは事故を起こしたあの日から、日付が変わるたび小さな卓上カレンダーにバツ印を付け潰していくこと、今も大事そうに抱えていたが、それを取ろうとしたり覗こうとすると、とても不機嫌になり、それは彼女にとって宝物か何かのようだった。
『ミィナ…』

 俺は車椅子を押し通路を歩いた。ここの病棟で行き交う人の中には一見まともそうな人もいるが、ほぼ全員が精神を病んでる人たちだと教えられていた。
「ここの柵って。中の人が外に出るのを防いでいるんじゃなく…。外からの進入を拒んでいるんだよ…」
「え? …あぁ。そうだね… きっと」
 当たり前だろうと思える言葉…。でも、チヒロが何を言いたいのか分かっていた。
『中の人は異常…、外の人は…』
 考え事をしていると、声をかけられていた。
「おにーちゃん聞いてる?」
「ん?」
「あたしもおにーちゃまのライブ行きたかったんだよぉ~ 今度は絶対連れてくって約束してー」
「あぁ、その話しか、うん。その約束ならすぐさ。先生にOK貰えたら、いつでも特等席用意するさ。お前がちゃんと良い子にしてればすぐだから。すぐすぐ」
「良い子って…、私もう子供じゃなーぃ」
「分かってるって。分かってるって。あはは」
「ブゥ~」
 チヒロは、ほっぺたを膨らませた。

 母は比較的軽い症状の病棟側に入れられていたが、それでも病室側と看護師さんたちの詰め所を行き来する通路には鉄の扉があって、中と外を隔て、俺たちはその扉を開けてもらっていた。
「じゃあ今日はこれで帰ります。また来ますから、母のことをどうぞよろしくお願いします」
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