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「二つ目、二つ目は?」
「あぁはい。もう一つは、印税の振込み証が毎年二通届けられてるんです。なぜ二通に振り分けたのかご存知ないでしょうか?」
「本当に聞きたかったのはそれね? うふふ、今の旦那と離婚か何かで揉めてるんでしょ? 財産分与とか~ あっはっはは、おばさんこれでもマイナー雑誌の編集長、ドンピシャじゃない? あ、一応名刺わたしとくね」
「はい…、ありがとうございます…」
 伏せ目がちなユウキがそれを貰うと、コンビニで見かけるような猥雑な雑誌のロゴが幾つか書かれていた。
「そんなの簡単よ? そんなのは良くある事。二つの重要な口座に入れて片方は公共料金とか税金の引き落としの為だったとか、もう片方は貯蓄用、きっとあなたたち子供の為に分けてあるのよ。大事な人のために分けていたのよ、きっとへそくり?ね。あはははっ」
 水を一口すするタドコロは、隣の客が食べているケーキを何気に見ていた。
『そうなんだ…、もう一人の誰かのために取ってあった。あの隠し方はそうとしか思えない。ユタカとミィナ、ユウタと謎の女、初めは二組の仲の良い男女だったと考えるのがシンプルだ。ママと”あいつ”の仲が悪かったのなら、わざわざ二個のリングを大事に取って置くことは無いはず、印税を別々の口座に分けたのもいつか”あいつ”に渡すため? ならどうして忌み嫌う? 絆を壊してしまう重大な事件…、まさか”あいつ”がユタカを殺した…、そうかこれで辻褄が合う! そして出会ってしまった”あの子”はミィナが呪う女の娘! いや、まさかママも加担していた…』
「何か面白いネタない? あなたたちみたいな若い人たちが楽しんでる遊びとか、怖い話しとか、都市伝説とか~ なんでもいいのよ。エグイ話大歓迎! なんであなたに会う気になったかって言うと雑誌のネタ探しに丁度良いかな、なんてのもあったり。内容次第では謝礼払うわよ? うちの雑誌*カストリ本だからさ大変なのよ」
「ちょっと人の話聞いてる?」
「え? あぁすいません。俺オカルトとか駄目なんですよね。信じてないんです」
 考えに集注してしまっていたユウキは慌てて顔を上げていた。
 
 それからしばらく彼女の話に付き合ったユウキだったが居ても立ってもいられず、女史のためにケーキを注文し、礼を言うと喫茶店を飛び出し、
『父の家へ行くんだ。きっと全てが解決する!』
 運転する車は都心へと引き返していた。

*カストリ本:すぐ廃刊になりそうな雑誌のこと。

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