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346 処刑

346
「話してない、何も話してなんかない! ただ待っていてと言っただけだよ? 私はママと一緒に暮らしたいだけなの、だからあいつを処刑部屋へ連れて行くんだ!」
「よーく聞いて、聞くのよチヒロちゃん…。あなたが連絡をくれないから、まさか接触してるかもしれないと思って昨夜ユィナに携帯を入れたの。それとなく世間話してたら色々分かったの。あいつヒロミさんの一人娘、養女だったの! 誰が本当の母親なのかなんて知らない、知りたくも無いけど、でもヒロミさんのバックには怖い人たちがいっぱいいる、ユウキ様だってヒロミさんの世話になってるの、バレたら殺される、今なら後戻りできる、私たちだって何もできない小娘、私たちが本当の悪魔なの!」
 アキは本気でチヒロを連れ戻しに来ていた。
「えぇええ~ そうなの? ふ~ん、でももぅ遅いよ。そんなことよりママはどこ…? ママ? ママぁああ」
 ぬーっと立ち上がりあたりを見渡すチヒロ。どんなに探しても母の姿は無く、
『ユィナを東京へ行かせたのが間違いだったんだ…』
 隙を見て二人から離れたミィナは、予約していたレンタカーに飛び乗ると本当の娘の待つ場所へアクセルを踏み込み、
「おそい…、おそいって…?」
 アキは脂汗の滲んできた顔で声を震わせていた。
「あいつを葬るの! あいつは私に切り刻まれながら犬に犯され続け、最後はただの燃えカスになるんだ!! ヒヒ ケケケケケ」
 不気味な笑みの妹とは対照的に、アキは両手で頭を抱えうずくまってしまっていた。

 痩せた男はどこかで捕まえた家蜘蛛を小さなプラスチックケースに入れ、そこから逃げたい一心でケースの中を這い回る生き物を空にかざしていた。
『その娘を追いなさいと二番目の可愛い女神様が命令しました。忠実なる僕(しもべ)である犬は今度こそカンペキにこなしてみせますと、血まみれの小さな尻尾をフリフリしながら走り始めましたとさ…。女神様の無茶ぶりはとても現実とは思えませんが、この局面を乗り越えようと必死で努力した甲斐はありそうです。とんでもない逃避行があなたを待ち受けていそうですねぇ… くふ、くふふ…』
 携帯で女神たちが撮った標的の写真をニヤニヤしながら見つめ、物思いにふける犬。しばらくすると、
「あ、陸地が見えてきたよ!」
「おぉ~」
 子供の一言にあちこちから小さな歓声が上がるのを聞き、目的地に近づいて来たことを知った犬はケースを開け蜘蛛を空に放った。小さな虫はあっという間に風に吹かれどこかに消え、デッキに佇む顔色の悪い痩せこけた犬はこう呟いた。
「アキラ…」と。
 そして彼は今、愛車と共にフェリーで函館に入ろうとしていた。
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