348 電話
348
「あーあとな、面白いからお前の傷でTシャツも発注しといたから、ステージではちゃんと胸はだけさせる様にしてねん。きっと飛ぶように売れるぞ?」
「なんだそりゃ・・・」
「これちなみに、チヒロちゃんのアイディアな」
▼応援してもらえると、書く気力が沸いてきます。

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「結局僕らセルフプロデュースするしかないからですね。元リーダーはドラム叩きながら銭勘定する側に回るそうです。ハァ・・・」
「ヒロミさんに一円でも多く元を取らせないとやばいよ~ん。ツケなんか残してみろ、怖い人らが取り立てに来るぞ~」
「ん? そーいう契約にはなってないから安心しろ。売れまくりでもしたら上前(うわまえ)撥ねるってことだから」
「ま、分かってるけどね。売れなきゃ意味ないんだよ? 世の中金なんだ! 儲けて美女をはべらかすのが俺様の夢!」
「分かってる分かってるから吼えるな、また初めから通すぞ」
「おぅ!」
「はーぃ」
練習に没頭する彼らだったが、ユウキへ掛かってきた一本の電話がそれを中座させようとしていた。
『お久しぶり~』
「こ、こんばんは、その節はお世話になりました。どうしたんですか?」
『今話せる?』
「母のことなら・・・」
『ん~、あなたにとっては寝耳に水みたいな話しなんだけど、オカルト雑誌作ってるとその手の色んな話しが舞い込むのよ』
「ど、どういうことです?」
相手はタドコロ女史だった。彼女とは以前母のことを尋ねたきり連絡を取った事は無かったが、意味深な前フリをされてしまいちょっと外すとメンバーに言い、家の外へ出たユウキは、
『ドッペルゲンガーって分かる?』
「えっ?! ちょっと待って」
『ごめんなさいねいきなり』
「いったいなんの話しですか?」
唐突な問いかけに、この女は何を話す気なんだと、庭先にあるログハウスまで早足で歩き、物影に隠れるように小声で話していた。
『えっとね、あなたたちが事故を起こした日にね、通りかかった車のドライバーが瀕死のあなたたちの誰かを助け出そうとしてたみたいなの・・・、で、その人から少し前に相談されてしまって調べてたらあなたたちにたどり着いちゃったって訳。話そうか話すまいか迷ったんだけど・・・』
「あーあとな、面白いからお前の傷でTシャツも発注しといたから、ステージではちゃんと胸はだけさせる様にしてねん。きっと飛ぶように売れるぞ?」
「なんだそりゃ・・・」
「これちなみに、チヒロちゃんのアイディアな」
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「結局僕らセルフプロデュースするしかないからですね。元リーダーはドラム叩きながら銭勘定する側に回るそうです。ハァ・・・」
「ヒロミさんに一円でも多く元を取らせないとやばいよ~ん。ツケなんか残してみろ、怖い人らが取り立てに来るぞ~」
「ん? そーいう契約にはなってないから安心しろ。売れまくりでもしたら上前(うわまえ)撥ねるってことだから」
「ま、分かってるけどね。売れなきゃ意味ないんだよ? 世の中金なんだ! 儲けて美女をはべらかすのが俺様の夢!」
「分かってる分かってるから吼えるな、また初めから通すぞ」
「おぅ!」
「はーぃ」
練習に没頭する彼らだったが、ユウキへ掛かってきた一本の電話がそれを中座させようとしていた。
『お久しぶり~』
「こ、こんばんは、その節はお世話になりました。どうしたんですか?」
『今話せる?』
「母のことなら・・・」
『ん~、あなたにとっては寝耳に水みたいな話しなんだけど、オカルト雑誌作ってるとその手の色んな話しが舞い込むのよ』
「ど、どういうことです?」
相手はタドコロ女史だった。彼女とは以前母のことを尋ねたきり連絡を取った事は無かったが、意味深な前フリをされてしまいちょっと外すとメンバーに言い、家の外へ出たユウキは、
『ドッペルゲンガーって分かる?』
「えっ?! ちょっと待って」
『ごめんなさいねいきなり』
「いったいなんの話しですか?」
唐突な問いかけに、この女は何を話す気なんだと、庭先にあるログハウスまで早足で歩き、物影に隠れるように小声で話していた。
『えっとね、あなたたちが事故を起こした日にね、通りかかった車のドライバーが瀕死のあなたたちの誰かを助け出そうとしてたみたいなの・・・、で、その人から少し前に相談されてしまって調べてたらあなたたちにたどり着いちゃったって訳。話そうか話すまいか迷ったんだけど・・・』
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