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ふたり63


 葬儀の日、ユタカの母から、
「息子はいつもいつも、あなたのこと気にかけてて…」
 と言われ、泣くまいと必死で我慢していた私は、彼女の胸で泣いていた。泣いても、泣いても止めどなく悲しみが溢れ、お母様とふたりでわんわん泣いた…。籍を入れておけば良かったと後悔していた。でも、彼らがそれを許してくれなかった…。
『だって、プロポーズしてくれたよね? 贅沢なこの二個の指輪~ 宝物~ うふふ』
 私はいつもそう言ったが、
『あれは僕らの意思が本当だよって言いたかっただけで…』
『セレモニーだよ。うんうん』
『すぐにだよ? すぐバツイチになるかもなのに…』
『僕らは踏み台。そうそう、踏み台』
 彼らの軽口が聞こえる…。

 火葬場から駅まで、タクシーに乗り合い、お母様とお別れするとき、手編みのセーターを差し出された。
「これ、ユタカが子供の頃に作ってあげた物なの。でも、この刺繍したアップリケが女みたいだって。着てくれなかったの…」
 と、お母様は話してくれた。それでも、よければといただき、二枚のセーターを手にした私は子供時代の彼を想像し、クスッと笑ってしまった。
「ミィナさん。そうよ。そう、笑って。ねっ」
 肩を抱かれ、ユタカの母のせいいっぱいの言葉は、とても心強く勇気も貰えたような気がした。
『僕は空気になる! 君の空気に…』
 薬指で、ふたつの同じリングが輝いている。
「あの子、双子だったの。知ってるわよね? の方は死産しちゃって…。だから、二枚。同じセーターが二枚…」
「!! か、彼から聞いたことが無かったから… 少し驚いてます…」
 私は息を飲んで答え、お母様を見つめていた…。
「そうなの? 息子は自分が、もう一人の””を吸い取ったなんて言って。随分悩んでいた時期もあったわねぇ…。子供の頃の話だけど…」
『ユタカは双子…だった…』
 もう一度ハグされ。お母様を改札で見送ると、力なくそばのベンチに腰掛けてしまったミィナ。うつむく彼女の髪を風が揺らすと、その顔はざめさせていた…。
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テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

tag : セーター 双子 勇気 空気 火葬場

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